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🍷これは“買い物”ではない、もはや“捜索”です。
金曜の夕方。
いつもと違うスーパー、私がいるのはワイン売り場です。
目の前には、500円〜2,000円台の赤・白・泡がズラリ。
「ふむふむ…このお店中々ワインのラインナップが充実しておる」
私は今日も、ひとり静かに「運命の1本」を探していました。
でもただ選ぶだけではありません。
私の二度とないこの日に飲むワイン。
妥協なんて許されません。
私の目は真剣でした。
彼女はいますがワイン界のフィアンセを探す心意義です(?)
そんな私はワインを手に取り、ボトルをそっと傾ける。
ワインボトルの底のくぼみをじ〜と覗き込むのです。
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🍷底に現れる“手がかり”
なぜそんなことをするのか?
それには理由があリます。
ワインの底を見るとワインを買う前からこんなことがわかるのです。
🍇 澱(おり)の量 → 熟成具合やフィルター処理の有無が分かる
🍷 色の濃さ → 味わいの重さや酸化具合のヒントになる
💧 液面の粘度 → アルコール度数やボディ感をざっくり判断できる
そう、ワインの底は語り手なのです。
ただの容器じゃない。予告編であり、伏線であり、冒頭のナレーションなのです。
皆様も映画の予告編を見て胸を躍らせますよね?いいえとは言わせません。
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🍷不穏な視線
気になるワインのラベルを凝視
そして底の部分を凝視
そんなことを10分、いや15分ほど繰り返していたでしょうか。
ふと気づくと、他のお客様がチラチラこちらを見ているではないですか。
「万引きじゃないですよ」と心の中で弁解しながら、
今度は棚の一番下のワインをしゃがんで確認。
すると今度は…
スーパーの店員さんが、やってきました。
「万引きじゃ…ないですから!?」と心の中で再弁解。
続けて5分程度ワインの物色を続けましたが、
店員さんはずっと同じコーナーにいるではないですか。
…あれ? もしかして、不審者扱いされてる…?
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🍷捕まるくらいなら…
これ以上居続けるのもそわそわしてきた頃です。
店員さんと何度か目が合うようになってきたので潮時だと感じ、
妥協を残しようやく1本のワインを手に取リました。
「ぐぬぬ…まだ見たいのに」
手にしたワインはフランス産のピノ・ノワール。
底は澄んでいて、ほんのわずかに澱があり、
ラベルの字体も、ほどよくクラシック。
「ふふふ。まあ良いさ。君に決めたよピノちゃん。」
選び終わった私は、心なしか急ぎ足でレジへ。
きっとその頃店員さんのインカムでは
「酒類コーナー不審者移動しました」とでも言われていたのでしょう。(被害妄想)
店員さんに会釈されたので会釈を返し立ち退きました。
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🍷そしてまた私はワイン売り場へ
翌週、私はまた同じワイン売り場に立っていました。
先週と同じように選定作業を繰り返し、15分経とうとしていますが、
今回は店員さんは巡回に来ていません。
それもそのはず、
前回の失態を踏まえて今回は前もって店員さんにお伝えしたのですから!
「先週も来ましたが決して怪しいものではないです
これは立派なワインの選定作業なんです」と
ワインを選ぶということは私にとって
「今日の自分を見つめ、今日の終わり方を選ぶ」ということなのです。
ワインを吟味するその時間を他人に妨害されるということは決してあってはならないことなのです。
皆様もDVDレンタル屋さんで店員さんに「まだ選んでるんか」と見られたら
嫌ですよね?いいえとは言わせませんよ。
疑わしき視線? そんなもの気にしません。本来気にしてはいけないのです。
だってワインボトルの底を見る時間は映画館で予告編を見て胸を踊らすあの時間と同じなのだから。
※長時間の滞在になる場合は前もって店員さんに一声掛けましょう
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