
🍷はじまりは“なんとなく”の知識から…
これは私が前職のレストランにて2回目の出勤の際のエピソードです。
ワインを学びはじめたばかりの頃の私は、正直なところ
“ブドウの品種“という概念も種類もよく分かっていませんでした。
「赤と白があるらしい」
「名前の長いブドウが多いなあ…覚えさせる気ないよなあこれ」とぼんやりした知識。
それでもお仕事上お客様にしっかりとワインの説明はしなければいけません。
そんな私が、初期に名前を覚えたのが
どちらもワイン初心者が覚えるべき品種トップ3には入る品種です。
当時の私は、どうしてもこの名前を覚えることができず、
「カベ(壁)は白いから白ワイン」
「ブラン→ブラウン→赤に近い色→赤ワイン」という
直感とイメージで謎の覚え方をしてしまっていたのです。
※カベルネ・ソーヴィニヨン→赤ワイン品種
ソーヴィニヨンブラン→白ワイン品種です!
⸻
🍷逆に覚えたまま2日目の出勤へ…
私の中ではすっかり、
• カベルネ・ソーヴィニヨン=白ワイン
• ソーヴィニヨン・ブラン=赤ワイン
という、真逆の認識が完成していました。
そんな2回目の出勤日
年配の男性が来店され、私はいつも通りにお食事のご案内とそれに合うワインのご案内をしていました。
男性:
「私、赤ワインが好きなんだがグラスでおすすめはあるかな?」
私:
「でしたらこちらのソーヴィニヨンブランがおすすめでして!」
男性:
「何!?最近は白ブドウから赤ワインが作れるのかね!?面白い飲んでみよう!」
私:
「(ん?何を言っているんだろう…でも詳しそうな方だから大丈夫かな…。)」
「かしこまりました!少々お持ちくださいませ」
私はそのまま店舗のワインコーナーに行き
赤ワインコーナーでソーヴィニヨンブランのワインを探しました。
もちろん見つかるはずはありません。
猫カフェで犬はどこかなと探すようなものですから。
一向に見つからず痺れを切らした私は、同僚に
「〇〇さん!ソーヴィニヨンブランのワインどこにある!」と聞きました。
「え!ソーヴィニヨンブランはこっちだよ!」同僚が指を指したのは白ワインコーナーでした。
……その瞬間、頭が真っ白になりました。「逆に覚えてたんか自分…」
自慢がひっくり返るような気分で、ここからお客様になんて説明をするか必死に考える時間が始まりました。
⸻
🍷一体どうなるワインスキスキ
客席に待つ老紳士に1人の男が近づいていきます。
彼は白ワインを当然のように赤ワインと説明したワインスキスキという男です
私:
「お客様お待ちいただいているワインをお持ちいたしました」
男性:
「お〜!ありがとう」男性は揚々と返します。
私は赤のカベルネ・ソーヴィニヨンを手にしてこう言いました。
私:
「お客様にソーヴィニヨンブランを赤ワインとお伝えしてしまい
申し訳ございませんでした。ソーヴィニヨンブランは白ワインでございました」
男性:
「いやあ!そうだよね(笑)。私も長いこと生きてるけれど遂にソーヴィニヨンブランで赤ワインが作れるようになったのか!とビックリしちゃったよ。気にしないで気にしないで!」
私:
「お客様がもし宜しければこちらの赤ワインとは別にサービスで白ワインのソーヴィニヨンブランもお持ちいたしますが…」
そうお伝えすると、お客様はふっと目を細めて笑いながらこう言いました。
男性:
「おお、それは嬉しいけど…飲み比べなんて粋なこと、若い君と出会わなければ思いつかな
かったかもしれないね。君のユーモアなミスのお陰で中々飲まない白ワインに挑戦できるから嬉しいよ!」
私は少し恐縮しながら「ありがとうございます」と頭を下げ、2本のワインとグラスを運びました。
その夜、お客様は赤も白も美味しそうに飲み干しながら、静かにこう言ってくれました。
「君の説明がなかったら、今夜はソーヴィニヨン・ブランで笑うことはなかったよ。ありがとう」
🍷そして私は誓ったのです。
もう二度と、「ソーヴィニヨン」と名のつくブドウの品種を直感で判断しないと。
今でも、ソーヴィニヨンと聞くたび、頭の中でこう唱えています。
ソーヴィニヨン・ブラン=白!
ソーヴィニヨン・ブランは白!!と
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